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井沢 元彦

逆説の日本史9 戦国野望編: 鉄砲伝来と倭寇の謎 単行本 – 2001/10/31
この本を読んで一番驚いたのは、鉄砲が伝来した翌年にはすでに国産化に成功しているということです。刀鍛冶などの鉄製品の加工については技術の蓄積はあったと思いますが、その質がどうなのかは別としても国産化というのはそう簡単ではないと思います。しかも1544年のことですから後進国の日本では驚くべき事実です。
まさか国産化ができると思っていなかった為に、種子島に訪れたポルトガル人や中国人は鉄砲を無償で提供したそうです。今で言えばリバースエンジニアリングということになりますが、日本人の一番得意とするような技がこの時代に既に成立していたということが驚きです。
では鉄砲国産化したことによってもう中国人やポルトガル人のような外国人に依存する必要はないかというとそこがそうでもありません。火薬を作るための硝石はほぼすべてが輸入になります。さすが当時の商人はわかってますね。もしかすると意図的に鉄砲を無償で提供し、国産化されても硝石の輸出で儲けちゃうもんねというしたたかな考えもあったかもしれません。それこそ現代でも同じように機器の購入はできても消耗品やメンテナンスにそれなりの対価がかかり、それが長期間続くために儲かるというビジネスモデルに通じます。いわゆる「チャリンチャリンビジネス」ですね。私も働いていたときはこの「チャリンチャリンビジネス」で儲ける会社にいたこともあります。そっちのほうが利益率が高く、会社の利益の柱になっていました。そう考えると人間のやることは500年前とあんまり変わってないのかなとも思いました。
逆説の日本史9 戦国野望編: 鉄砲伝来と倭寇の謎 単行本 – 2001/10/31
説明
「和の精神」が崩壊した戦国・混迷の時代に勝ち残る「リーダーの条件」
日本に鉄砲を伝えたのはポルトガル人ではなく「ニセ倭寇」の中国商人王直だった! 武田信玄があと10年長生きしても天下をとれなかった? 北条早雲には”天下人たる資質”が欠落していた! “謀略の天才”毛利元就の「三矢の訓」は後世の捏造? 織田信長が目指した理想社会「平安楽土」に隠された野望とは? 日本人の根本原理である「和の精神」が崩壊した下剋上の時代を勝ち抜いた戦国武将の天下取り戦略から、既成の成功方程式が通用しない激動の時代に求められる「リーダーの条件」を浮き彫りにします。 「過去を語ることは現在そして未来を語ることである」という井沢氏が、国際社会に生きる日本人の歴史認識と歴史観を問い直す、シリーズ100万部突破の歴史ノンフィクション第9弾です。
井沢 元彦
昭和29年、名古屋市生まれ。早大法学部卒。TBS入社後、報道局放送記者時代『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞受賞。その後退社し執筆活動に専念。歴史推理・ノンフィクションに独自の世界を開拓
