ウィリアム・ダルリンプル、 パロミタ 友美
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9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて (集英社新書) 新書 – 2022/1/17
インドの21世紀は輝かしい未来が予測されています。
経済的に次に豊かになる国と思われています。
この本には現代のインドで一般庶民がどのような思想で生きているかが断片ですが描かれています。
正直にいってうらやましいものではありません。
宗教・宗教とまで体系化されていない神性・霊性のオンパレードです。
欧米的な価値観に侵食された日本人には理解はするが許容できかねる現実です。
でもインドの人々にとってはこれが日常なんでしょう。
私はインドに行ったこともなければ、インドを遠くの巨大国・ヒンズー教の国くらいの認識を持っていませんでした。
おそらく18世紀くらいの日本も同じような価値観だったのではないでしょうか?
インドが遅れているというつもりはありません。
江戸時代の価値観・習俗に現代の科学・経済・社会が混在しているとするとすごいことです。
よくインドはカオスと言われます。
なんとなく理解できた気がしますがそこで生活しないと本当のところはわからないでしょう。
住みたいかと問われれば、肯定的には答えられない感じです。
9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて (集英社新書) 新書 – 2022/1/17
ウィリアム・ダルリンプル
1965年、スコットランド生まれ。ケンブリッジ大学在学中に発表した、マルコ・ポーロについての評伝In Xanaduがベストセラーになる。サンデータイムズ若手作家年間最優秀賞やヘミングウェイ賞などを受賞。著作に『略奪の帝国──東インド会社の興亡』などがある。
バウル行者(弟子)、翻訳者、詩人、画描き。
2013年よりパルバティ・バウルに師事。
オーストラリア国立大学でサンスクリット語と言語学を学び、「詩を歌う」文化への興味からインドの歌文化に惹かれる。
ケーララ州で日本語講師をしながら南インド古典声楽を手習いしていたときに、縁あってパルバティ・バウルに出会い、のちにバウルの道に入る。
2018年、パルバティ・バウル来日公演ツアー「バウルの響き」を有志の仲間と共に主催、のべ1000人余りを動員する。
幼い頃から日本の古代に、十代から武術や身体文化に興味があり、現在も日本では舞などを学びバウル行の糧としている。
物心つく前から画を描いていて、2015年以来定期的に個展を開催。
日英バイリンガルで、ベンガル語、マラヤーラム語、サンスクリット語はちょっと分かる。
訳書にウィリアム・ダルリンプル著『9つの人生:現代インドの聖なるものを求めて』(集英社新書)、パルバティ・バウル著『大いなる魂のうた:インド遊行の吟遊詩人バウルの世界』(バウルの響き制作実行委員会)
風響舎主宰。