闇ウェブ

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セキュリティ集団スプラウト

闇ウェブ (文春新書) 新書 – 2016/7/21

 作者はセキュリティ集団スプラウトとされてますが実際にはサイバーセキュリティの対策会社のようです。インターネットには軽微なもので言えばうそつきや誹謗中傷のような犯罪まで行かないものから銃の取引、薬物取引、違法ポルノ取引等の恐ろしい犯罪まで含まれているというのはインターネットを使っている人なら大体は想像つくと思います。
 この本はその中でも特に悪質なTor(トーア)という技術を使ったインターネットの暗部について書かれたものです。私のような一般ピープルからすればヤフーオークションなどで不可解な出品があったりするのを見るとこれは何か犯罪なのかな何て言うことが感じられたりします。
 実際には世の中はもっと悪い方に進んでいて、悪い方に進んでいてというか60億人以上いる人類の中にいい人も悪い人もいてそりゃ悪い人は何億人もいるだろうなあと思います。60人に1人の悪い人がいたとしても1億人ですから。そういう人たちの意味便利なツールとしてインターネットが使われています。
 この本では表のウェブ裏のウェブと称していますが裏のウェブのことが書いてある本です。普通に考えれば、じゃあその裏のウェブを潰してしまえばいいじゃないかということになります。いわゆる政府系の捜査機関FBIとか警察とかがそれに従事しているようです。ただ手法としては完全に潰すというよりはやはり悪いサイトごとに潰して行くということのようです。それには理由があって日本に居るとはあまり感じないんですが国民を弾圧する言論の自由のないような国で民主活動をしている人たちにも使われているようです。そのためこの闇ウェブという仕組み自体を潰すことはさすがにアメリカ合衆国でもできないようです・そういう形になると闇ウェブと言っても良い面と悪い面があるということになります。
 60年以上生きてきて、まあ地球の歴史に比べたら短いですけど思うことがあります。いわゆる二元論・善と悪、完全な悪や完全な善というのは短い人生ですがないんじゃないかなと思うようになってます。悪の中にも小さな善が善の中にも小さな悪が潜んでいるというふうに思います。だいたいにおいて善とか悪を判断する決まりは何なのかということもあります。60過ぎてもその決まりを明確に表現することはできません。たとえ話ですが羊を殺して食べる狼は悪なのか?草をムシャムシャ食べるヒツジは善なのか?植物は殺してもいいのか?年齢を重ねれば何が正義で何が悪なのかというのがだんだん曖昧になってきます。だからといって一般的な道徳を破って自分の正義を貫き通すっていうようなおじいさんでもありません。今私が思うことは人間が何かを信じるということは恐ろしいということです。宗教でも国でもイデオロギーでも科学でも何かを信じるとそのために犠牲はやむを得ないと思いがちなのが人間です。何が正しくて何が悪いかは歴史が決めるもので絶対的な善と絶対的な悪は無いのかなと思うおじいさんです。
 話がずれましたが闇ウェブは匿名性とビットコインで成立しています。既存の道徳や制度が通じない世界ができているということです。ただそれは現在においてのことなので100年後には「そんな時代もあったんだよね」なんて誰かが言ってるかもしれません。

闇ウェブ (文春新書) 新書 – 2016/7/21

説明
「ダークウェブ」というものをご存知だろうか? 2015年、アメリカで史上最悪のサイバー闇市場「シルクロード」の運営者に終身刑が言い渡された。「シルクロード」は「闇のアマゾン」とも言われ、違法薬物などを扱い、大金を荒稼ぎしていた。また同年、シカゴの二児の父が、世界最大の不倫出会いサイト「アシュレイ・マディソン」の個人情報が盗まれ、ネット上で公開されたことを受けて自殺した。いずれもダークウェブ上の出来事である。 現在、インターネットの世界は3つに分かれている。1世界中の誰もがアクセスできる自由な空間(サーフェイウェブ)、2限られた一部の人だけが触れることのできる空間(ディープウェブ)、そして3サイバー犯罪者たちが跋扈する闇の空間(ダークウェブ)とに。 「サーフェイウェブ」は、ヤフーニュース、グーグル、フェイスブック、個人のブログといった、検索エンジンで捕捉可能な一般的なウェブサイト群だが、インターネット上には、検索エンジンではアクセスできないウェブコンテンツの方が遥かに多い。それらはインターネットの深層という意味から「ディープウェブ」と呼ばれる。そしてさらにその奥底に存在するのが「ダークウェブ」だ。現在、この知られざる空間が「サイバー犯罪と闇市場」の中心的舞台となっている。 ダークウェブは、Tor(トーア)など専用の通信技術なしにはアクセスできない。これらの通信ネットワークは、暗号技術に優れ、匿名性が高く、外部からの侵入に強い。当初は迫害を受けている政治活動家やジャーナリストが利用していたが、その匿名性の高さから犯罪者が群がるようになった。彼らがダークウェブに違法なものを持ち込んで、わずか数年の間にサイバー犯罪の一大市場が形成されたのである。麻薬、偽造パスポート、偽札、盗難品、違法ポルノ、銃器、サイバー攻撃請負、殺人請負……違法なものが何でも揃う、まさに「犯罪のデパート」だ。われわれの個人情報や医療情報もこのダークウェブで取引されている。 そしてダークウェブに欠かせないのが、あの「ビットコイン」だ。ビットコインのような決済システムが存在したからこそ、ダークウェブは急速に拡大できたのである。逆に言えば、ダークウェブの闇市場がなければ、ビットコインもここまで普及しなかったかもしれない。 捜査当局も容易にアクセスできないダークウェブは、現時点で日本語サイトはまだ少ないが、これから急速に拡大するはずだ。今後、この知られざる空間が、われわれの日常生活を大きく揺さぶることになろう。あなたの会社やあなたの家族やあなた自身がいつ狙われてもおかしくない。いまサイバー空間で何が起きているのか? ネット社会において自分の安全をどう考えればよいのか? 現代人の誰もが読むべき警告の書。

セキュリティ集団スプラウト

正式名称:株式会社スプラウト。2012年創業のサイバーセキュリティ企業。ホワイトハッカーと呼ばれる人材を中心に、サイバーセキュリティ分野に精通したコンサルタントやリサーチャーらが集まった専門家集団。企業や官公庁に対しサイバーセキュリティの支援を行っているほか、本書の下敷きとなったオンラインメディア「THE ZERO/ONE」や、国内外のホワイトハッカーと企業を結ぶバグ報奨金プラットフォーム「BugBounty.jp」の運営などを行っている。また、世界最高水準のセキュリティ強度を実装したクラウドストレージ「SolidHub」の開発などにも取り組んでいる。

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