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井沢 元彦

逆説の日本史15 近世改革編: 官僚制度と吉宗の謎 単行本 – 2008/7/29
「天下の名君」徳川吉宗をある意味で「バカ殿」と定義しています。それは経済的側面です。緊縮財政を行って財政均衡を図った政権であることは知られていますが、それにより経済が低迷し、民衆の生活は苦しくなったということです。これは、現代にも通ずる論争です。積極財政と緊縮財政のどちらがいいかはその時の状況によります。高市政権の積極財政がいいのか中道改革連合と財務省が掲げる財政均衡が正しいのか?経済学・財政学などの学問が発生していない江戸時代にどのようにして施政していたかというとやはり儒学です。その中の朱子学的発想で財政を回すということは今から見れば「ばかじゃね」という感じですが、当時は真剣で真面目でした。その真面目さが不況を引き起こしたんでしょうね。まずは朱子学的には「商売して儲ける」ことは悪です。農業が一番正しい道だったので米の増産などは成果を上げたようです。民衆は苦しんだために民衆文化はすたれました。
逆に悪徳政治家の代表である田沼意次を評価しています。いわゆる民間主導の景気向上策というとらえ方です。いろいろな考え方があります。面白い。
逆説の日本史15 近世改革編: 官僚制度と吉宗の謎 単行本 – 2008/7/29
説明
8代将軍吉宗は名君に非ず!日本史の常識を覆す全日本人必読の新・日本史!
『週刊ポスト』連載の大好評歴史ノンフィクション第15弾! 本巻の主役は、御三家紀州徳川家から江戸幕府第8代将軍となった徳川吉宗。目安箱の設置、大岡忠相の登用など歴代将軍随一の名君と称される吉宗だが、その一方で、「政治家としての最大の欠点は、生きた経済というものがまるでわかっていない」という問題を抱えていた。吉宗の経済政策失敗の背景にある「商業軽視」という徳川政権の根本的課題に斬りこみ、積極的な経済政策で繁栄する名古屋藩藩主徳川宗春との対決の真相を解き明かす。 さらに、「賄賂政治」を行なったとして悪名高い田沼意次の再評価に挑む。本当に彼は非難されるべき政治家だったのか? 田沼を失脚させて政権を握った松平定信(吉宗の孫)の寛政の改革は誰のための政治だったのか? 幕府という巨大組織の権力闘争の内幕に迫る。歴史の常識といわれている事柄がいかに空疎なものかを暴く著者渾身の一冊!
目次
第1章 六代将軍家宣の新政編
第2章 八代将軍吉宗の支配編
第3章 将軍吉宗vs尾張宗春編
第4章 田沼意次vs松平定信編
井沢 元彦
昭和29年、名古屋市生まれ。早大法学部卒。TBS入社後、報道局放送記者時代『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞受賞。その後退社し執筆活動に専念。歴史推理・ノンフィクションに独自の世界を開拓
