逆説のニッポン歴史観 日本をダメにした「戦後民主主義」の正体

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井沢 元彦

逆説のニッポン歴史観: 日本をダメにした戦後民主主義の正体 単行本 – 2000/9/1

 著者はやや右寄りの歴史学者というべきか歴史家の方です。この著者の歴史書を何冊か読みましたが非常に面白いです。もともとテレビ局に勤務された方なので面白い本の書き方が巧みです。割と好きな著者です。逆説の日本歴史観という書名ですが、歴史観というより左寄りのメディア批判に終始します。25年前の本ですから25年前の価値観で左寄りのメディアを批判しています。
 メディアというもの=報道機関というものは大変なもので影響力が大きいことは否定できません。しかし人間がやることですから間違いもあります。大企業になってしまうとたくさんの従業員の意思を統一することは不可能です。もし可能でも数万人の従業員の意思を統一することができている企業というのは、これはこれで恐ろしいものです。そのようなメディアが間違いを起こすことは必ずあります。著者は間違い自体も批判していますが、その後の対応にも注意を払っています。その姿勢は良いのかなと思います。面白く読めました。
 話は変わりますが私は「やや右寄り」という言葉を使いましたこれはかなり柔らかめの表現です。日本社会では思想感で右または左という二元論的なキャラクター分類を行っています。
 日本語の恐ろしいところでもあるんですが、表現方法もたくさんあります。例えば右側で言えば「極右」「右翼」「右派」「保守」昔は「保守反動」なんて言葉もありました。なんとなく「右派」より「保守」の穏当なイメージがあります。言い方によって違うもんですね。なんとなくリベラルというと正しいイメージがしますもんね。右翼というと「日の丸のハチマキをして日本刀持って体鍛えてる髪型は坊主」のというイメージです。思想的には尊王攘夷ですかね。かなり古いか。
 個人的に思っていることがあります。「右派」も「左派」も自分の思想信条は正しいと思っていると思いま。どちらが正しいか分かりませんが、リベラルやリバタリアニズムにはやや寛容のイメージがある気がします。リバタリアニズムはちょっと「他人は知らん」的な冷たいイメージもありますが。不寛容はよくないと思います。ふかんようはいかんよう。
寛容の心を持つ人間でありたいと思います。

逆説のニッポン歴史観: 日本をダメにした戦後民主主義の正体 単行本 – 2000/9/1

説明
朝日新聞、共同通信などのメディアや日教組、社会党などの教育、政治団体を通じて、戦後の日本社会、日本人の思想に多大な影響を与え続けてきた「戦後民主主義」。その存在が如何に日本社会をダメにしたのかを、特にメディアの偏向報道に重点を置きながら指摘すると共に、日本の歴史、日本人の伝統的考え方に立脚した井沢氏独自の視点から、現在の日本政治の在り方や、国防問題、混迷極める現代日本社会に必要なリーダー像にも言及する。 既成のシステムが崩壊し、様々な問題が噴出している現在、来るべき21世紀に向けてメディアや政治の本来有るべき姿を世に問う、画期的な批評本。

井沢 元彦
昭和29年、名古屋市生まれ。早大法学部卒。TBS入社後、報道局放送記者時代『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞受賞。その後退社し執筆活動に専念。歴史推理・ノンフィクションに独自の世界を開拓。

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