警察庁長官を撃った男

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鹿島 圭介 (著)

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警察庁長官を撃った男 (新潮文庫) 文庫 – 2012/6/27

 警察官僚の悪いところをこれでもかというくらいに記述している本です。それが原因で犯人と思われる人物が起訴もされない。警察組織は巨大なので(たくさんの人がいる)良い人、悪い人、偏見を持つ人などがいるのはしょうがないと思います。でも、高級官僚一人の偏見や意思が批判も許されず修正ができないというのは以上です。仕組みに問題があるのだと思います。上級職試験に合格して警察組織に所属しエリートコースを歩む人の悪い面が如実に出た例です。いわゆる社会経験や世間を知らない部分が出てきてしまいがちです。
 話は飛びますが、私は大昔にOA機器やコンピュータのセールスをしていました。基本は法人相手でしたが大学教員にも販売していました。正直言って大学教員は素直な人が多く商売はやりやすかったです。自治体や国家機関にも多くのセールス経験がありますが、やはり民間に比較して御しやすい印象があります。具体的に数値では表せませんが「世間知らず」という印象です。その分純粋です。
 本題に話を戻すと、こんな話です。初期捜査の判断違い・オウム真理教の犯罪だという先入観が捜査トップ(公安部長)にありその捜査トップが何年もかけて昇進し警視総監になって当初の先入観を偏執的に推し進め、オウム真理教犯罪で立件を進め、検察にも拒否されるが警察組織では誰も止めることができず、時効時に合理的証拠もないのにオウム真理教の犯罪であるかのように実名を挙げて発表するという信じられない事実を明らかにした本です。しかも、別の銀行強盗などで服役中の人間が「当事者以外知りえない事実」を複数挙げて自供しているという事実が並行してあります。
 警察組織に対する国民の信頼は極めて大きいと思います。その組織でこのようなことが起きていることが驚きです。大河原機工の冤罪も最近ありました。リタイアしたオジーさんは何もできませんが、未来は未確定です。警察組織の未来はもっと民主的・合理的であることを願ってやみません。

警察庁長官を撃った男 (新潮文庫) 文庫 – 2012/6/27

2010年に時効を迎えた長官狙撃事件。特捜本部はある男から詳細な自供を得ながら、真相を闇に葬った。極秘捜査の全貌を暴く――。

1995年3月、日本中を震撼した国松孝次警察庁長官狙撃事件。特別捜査本部を主導する警視庁公安部がオウム犯行説に固執する一方、刑事部は中村泰なる老スナイパーから詳細な自供を得ていた。だが、特捜本部は中村逮捕に踏み切らず、事件は時効を迎えてしまう。
警察内部の出世とメンツをかけた暗闘や、中村の詳細な証言内容など極秘捜査の深層を抉るノンフィクション。解説・立花隆。

【目次】

プロローグ パイソンを買った男
治安への信頼が崩壊した日/大阪拘置所

第一章 公安捜査の大敗北
「ギブアップ宣言」/治安トップの責任「/ハム」vs「.ジ」/有力容疑者・平田/衝撃の告発/元巡査長の供述/迷走する捜査

第二章 悪夢、再び
実行犯は誰か?/トップ交渉

第三章 捜査線上に急浮上した男
銀行襲撃/空白の30年/正体/敵の首領、倒れたり

第四章 謎に包まれた老スナイパー
「否定も肯定もしない」/刑事vs.老スナイパー/共犯者の“影”/「私が長官を撃ちました」

第五章 取調室の攻防
合同捜査班の立ち上げ/供述調書をめぐる攻防/自供/特殊な拳銃に稀少な実弾

第六章 そして、アメリカへ
特殊工作員の足跡を辿る旅/アメリカでの地下活動の実態

第七章 動機
複雑で謀略的な大義“/秘密の暴露”/塩漬け

第八章 幻の男
老スナイパーの本質

第九章 「─神よ もう十分です…」

最終章 告発の行方
隠された意図/特捜検事の登場/フェデラル社で判明した事実/鉢植えはあった!/名簿の中身は/東京地検特捜部長の会見

エピローグ ゲバラになれなかった男
光と闇

鹿島圭介
1966(昭和41)年和歌山県生れ。早稲田大学第一文学部英文科卒。雑誌メディアを中心に事件、政治、経済のジャンルで精力的に活躍中。とりわけ警察・司法の分野においては多角的、重層的な取材で知られ、事象の深層を抉るルポが数多い。

【部分監修者】(第6章/半導体)

山田 周平 (やまだ しゅうへい)
1968年兵庫県神戸市生まれ。桜美林大学大学院特任教授。専門は中華圏の産業動向や経済安全保障。




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