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翁 邦雄

移民とAIは日本を変えるか 単行本 – 2019/7/17
題名から推測するとなかなか面白そうな本だなと思いました。実際に読んでみると正直な話あまり面白くありませんでした。
著者は日本銀行の出身者のようで人口減少と経済の停滞を主題とおいて、今後の日本のあり方や展望を語っています。その味付けとして移民とAIを使っている雰囲気です。人口減少と日本経済については実際の数字も交えて非常に具体的に精緻な論理を展開されます。移民問題やAIについては門外漢だからなのかもしれませんが、軽く絡めている程度です。論調もどちらかというと公務員的な数字と事実ありきで、過去の分析は詳細ですが未来についてはあまり興味がないのかなと思われる節があります。読んでいて面白さはあまりありませんでした。面白くなくてもためになればよかったんですが、ためになる点もあまり無かったと言わざるを得ません。
移民とAIは日本を変えるか 単行本 – 2019/7/17
説明
救世主か、破壊者か 21世紀に入り、人口減少に転じた日本。早くから日本経済の長期低迷の要因の一つとして人口構造の変化に着目すべき、と唱えていた著者が、現代日本の喫緊の課題として昨今俄然クローズアップされている人口減少下の日本社会の変容を、移民とAI(人工知能)に焦点を当てて丁寧に解いていく注目作!
▼人口減少とAI化、入管・難民法改正の流れの中で、正確な実態把握に努め、現時点での全体像を一挙に俯瞰できるタイムリーな一冊!
▼ニュートラルな立場で、巷間伝わるAIへの過度の期待と恐れや人口減少についての諦観ないし悲観に疑義を投げかける骨太の総合解説書。
高齢化社会の到来は数十年前より議論されてきたが、人口減少が問題視されるようになったのは比較的近年のことであり、日本社会の今後の展望や選択肢を統計や理論的成果に基づいて解説した本(特に、日本人の著者によるもの)はまだ少ない。
本書は、いまや金融のみならず、現代日本社会全体をウォッチする論客の第一人者のひとりとなった翁氏が、喫緊のテーマを人口減少下での日本社会の将来像について国民的選択の観点で捉え、AIと移民の影響 について広範な視点から考察。
【目次】
第1章金融政策の限界――プロローグ
第2章人口ペシミズムと将来人口推計の確実性
第3章移民あるいは外国人労働者の経済的影響
第4章移民の社会的影響――欧州の経験
第5章移民の社会的影響――日本の現状
第6章事例研究:ベトナムとの関係
第7章AIは労働者を無用にするか――人口ペシミズムへの第三の異論
第8章AIと移民の共通点・相違点
第9章AI・移民問題についての今後の課題
翁 邦雄
1951年生まれ。74年、東京大学経済学部卒業、日本銀行入行。83年、シカゴ大学でPh.D.取得。以後、筑波大学社会工学系助教授、日本銀行調査統計局企画調査課長、企画局参事、金融研究所長等を経て2006年、中央大学研究開発機構教授に就任。
09年、京都大学公共政策大学院教授。17年より法政大学大学院政策創造研究科客員教授、京都大学公共政策大学院名誉フェロー。
主著
『期待と投機の経済分析』東洋経済新報社、1985年、日経・経済図書文化賞受賞
『金融政策』東洋経済新報社、1993年
『ポスト・マネタリズムの金融政策』日本経済新聞出版社、2011年
『経済の大転換と日本銀行』岩波書店、2015年、石橋湛山賞受賞
『金利と経済』ダイヤモンド社、2017年など