石ノ森章太郎
☆☆☆☆

新装版 マンガ日本の歴史8-鎌倉幕府の成立と承久の乱 (中公文庫 S 27-8) 文庫 – 2021/1/20
歴史が好きです。
何でかはわかりません。日本史・世界史・人類史など歴史関係の本はよく読みます。子供のころと大人になってからは歴史の見方が変わりました。
子どものころは教科書などに書いていると「その事実は間違いなくあった」と信じます。大人になってからは「そういう説もあるのね」と思うようになりました。だって見てきた人は誰もいないし、例えばヒミコにあった人は誰も現存しないので何らかの文献・痕跡で推測しているんですよね。大人になるまでそんな「事実の危うさ」には気づきませんでした。
現在の報道や書籍を鑑みるに、未来の人は21世紀の歴史を語るのは難しいだろうなと想像します。一つの事象に四方八方の意見が乱立しています。結局その時代感覚に沿った解釈をするのでしょう。それが歴史です。
でもこの本は面白い。
やはりマンガの力=読みやすい・楽しいが詰まってます。
石ノ森章太郎の画力もあると思います。
力を入れずに読む大人、歴史を流れで感じたい子供にお勧めです。
子どものころは巨人の星が大好きでしたがサイボーグ009も印象に残るマンガでした。SF、そして外人が活躍するところが当時斬新でした。
源氏の世の中が始まりました。源頼朝は鎌倉に君臨し政敵となりそうな御家人を冷酷に排除して行きます。NHKの大河ドラマで2023年にやっていた内容です。どうしてもドラマを見てしまうとドラマの中の配役が目に浮かんでしまいます。源頼朝は結局弟たちも皆殺しにし、後を継いだ北条政子と北条泰時は源頼朝に関係のある血筋の者も排除します。父親である北条義時も排除するというまさに凄惨な内ゲバ状態です。小中高の学校で学んだ鎌倉幕府はなんかいいような感じで、初めての武士の正当な政権を打ち立てた源頼朝は英雄という感じでした。実際には朝廷と武士の権力争い、武士政権の中での権力争いということがあったんではないでしょうか。
歴史の最大のジレンマはタイムマシンでもない限り実際に見てきたわけでもないので、その当時の人たちが感じたことを文字に記したもの絵に描いたものでしか想像できないことです。そういった情報だけで推測して行くのが歴史です。簡単に言ってしまえば事実ではないと思います。でもなぜか読んでると面白いんですよね。特にこの本は漫画ですし。
歴史というのは新しい材料が出てくると解釈が変わります。解釈が変わるまでの暫定的な歴史と考えれば穏やかな心で歴史を読むことができるでしょう。
新装版 マンガ日本の歴史8-鎌倉幕府の成立と承久の乱 (中公文庫 S 27-8) 文庫 – 2021/1/20
説明
伊豆で挙兵し壇ノ浦合戦で源平内乱に勝利した源頼朝は、さらに義経及び奥州藤原氏の討伐を敢行する。その過程で各地の武士団を御家人組織に結集させ、名実ともに全国に及ぶ〈兵馬の権〉を掌握、鎌倉幕府を確立する。頼朝亡きあと、幕府は尼将軍北条政子を中心に新たな体制を模索して内紛を繰り返す。三代将軍実朝暗殺で源氏の将軍が途絶えたことを契機に朝幕の安定した関係が破れ、両者が刃を交える〈承久の乱〉を迎える。
原案執筆・義江彰夫/村井章介
〈目次より〉
序章 壇ノ浦合戦―平家滅ぶ
第一章 源平の内乱
第二章 義経追討
第三章 鎌倉幕府の成立
間章 女人入眼の日本国
第四章 尼将軍政子
第五章 右大臣源実朝
第六章 承久の乱
第七章 執権北条泰時
解説・村井章介