山頭火 濁れる水の流れつつ澄む

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朝枝 善照

山頭火 濁れる水の流れつつ澄む 単行本 – 1999/9/30

 山頭火というのは著名な歌人です。前にNHKの大河ドラマを見たときに山頭火が出てきました。鎌倉時代のドラマだったと思います。ちょっと不思議に思いました。私は山頭火という歌人しか知りませんでした。
 山頭火には武人と言う過去がありました。いわゆる北面の武士ですね。幼い頃から武士として育ち北面の武士として活躍もしました。でもその後出家して歌人となります。いわゆる放浪の歌人です。その人生にはいろいろな想像や思惑が推測されています。例えば忍者だったとかいわゆるスパイだったとか・・・・・・。
 歴史というのはよほどのことがない限り正確な過去はわかりません。たいていは同時代の文献や歴史的事実によって推測するようなものです。歴史的事実は個人的なことは深く書かれていませんので、そこを推測するのが歴史の楽しいところです。文学的には山頭火は意外と恋の歌などもあります。出家してんのにいいのかなって感じですけど・・・・・・。名前もカッコイイし、歌も概ね寂しげなものばかりです。
 放浪の生活に憧れるのは定住が一般化した現代社会の常ですね。

山頭火 濁れる水の流れつつ澄む 単行本 – 1999/9/30

説明
熱心な真宗門徒の家に生まれた山頭火は,母の位牌を背に彷徨した末,懐かしい念仏の世界に安らぎを求めたのではないか。その作風のなかに山頭火の回帰の足跡をたどる。

朝枝 善照(あさえだ ぜんしょう、1944年3月8日 – 2007年1月3日)
島根県出身の仏教学者、歴史学者。龍谷大学文学部教授、島根県邑南町(旧瑞穂町)の浄土真宗本願寺派浄泉寺住職。文学博士。



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