鎌田 浩毅
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地球の歴史 上 – 水惑星の誕生 (中公新書 2398) 新書 – 2016/10/19
題名が面白そうなので読んでみました。実際に読んでみるとすごく面白い本です。
地球が出来上がってから46億年経っているんですが、その後の経緯いをすごくわかりやすく説明している。文系の私にも読みやすい本です。
地球の誕生を46億年前と言いましたが、作者はそれを説明するために137億年前の宇宙の誕生から説明しています。地球がどんなふうに変わってきたのか、地球は何でできているのかなど興味深い内容でした。
また現在に近づくにつれて火山活動やプレートテクトニクスなどの解説もあり、よく理解できました。30年以上前におそらく「サイエンス」という雑誌だったと思いますがそれで初めてプレートテクトニクスのことを知りました。その時には大陸が移動してできた理論として読みましたが、自分ではかなりびっくりしました。もしかすると高校の地学で習ったのかもしれません。30代でその雑誌を読んだときに超大陸が分裂して今のようになったということの事実がすごく新しく感じられました。私の記憶ではその時に出ていた趙大陸はゴンドワナ大陸でした。
この本ではそのような超大陸の集合と離散が複数回行われていてゴンドワナ大陸だけでなくパンゲアなども紹介されています。
地球の温暖化・寒冷化どちらも複数回に地球は経験しています。非常に月並みですが面白かったです。地球温暖化について現在はいろいろなところで話題になってます。大きな問題になっています。私はそのような記事を見るたびに温暖化で人類は大変なことになりそうなので温暖化を止めようとするのは当然のことで大事なことだと思ってました。また地球温暖化は科学的に証明されたものだと思っていました。それを信じない人たちはまあ陰謀論者なのかなと思ってました。ただこの本を読むと私の理解がちょっと単純だったなというふうに思いました。本当に人類の影響だけで温暖化がどんどん進んでいくのか少し疑問になりました。でも実際に温暖化していることは今のところ事実のようなので氷が溶けて海水面が上がったりいろいろな影響が出てきそうです。
人類が地球温暖化を止めることができるのかどうかも不明です。でもやってみるしかないというのが真実なのかなと今思ってます。どちらにしても具体的なデータを取れるようになってからおそらく100年から200年しか経ってませんので地球の歴史からすると一瞬のことですね。中巻の方は生命について書かれているということなので楽しみです。
地球の歴史 上 – 水惑星の誕生 (中公新書 2398) 新書 – 2016/10/19
説明
46億年前に誕生した地球は、太陽系の数ある惑星のなかで唯一安定した環境を持つ「水惑星」である。生命が誕生し、進化を遂げることができたのはなぜか、人間は地球にどのように関わってきたのか、温暖化などさまざまな問題を抱える地球はこれからどうなっていくのか。
上巻では、137億年前の宇宙誕生から説き起こし、物質が自己組織化の過程を経ながら、太陽系や地球として分化してゆく状況を語る。全3巻でたどる地球46億年の旅。
鎌田 浩毅
1955年東京生まれ。東京大学理学部地学科卒業。通産省(現・経済産業省)を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地球科学、科学コミュニケーション。京大の講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。火山研究のほか、科学をわかりやすく伝える「科学の伝道師」。96年に日本地質学会論文賞受賞