問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界

エマニュエル・トッド (著)
池上 彰 (著)

☆☆☆☆

問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界 (朝日新書) 新書 – 2023/6/13
 ウクライナの戦争については普段見ているスマホのニュースでもたくさんの意見があります。西側陣営の日本ではウクライナ擁護、ロシアはひどいという意見が大多数です。
 本当のところはどうなのか知る由もないんですが、日本の報道内容ではウクライナに肩入れしていることは間違いないです。一番大きいポイントは「だって攻め込んだロシアでしょ」なんですがその事実が揺るぎないと私も思います。
 たくさんのドキュメンタリーも見ました。そのドキュメンタリーで驚いたのは私がウクライナとロシアが戦争を始めたのは2022年だと思っていましたが、ウクライナ人にとっては八年前からやってる戦争だということです。ウクライナ東部のロシア占領地域、最初の戦争はそこです。次はクリミア半島併合そして今に至ります。戦争とは恐ろしいものです。ウクライナはすでに八年間戦争しています。日本に居る私たちにはやはり現実感が乏しいのでしょう。
 エマニュエル・トッドが言ってますこの戦争はロシアとウクライナの戦争ではなくてロシアとアメリカの戦争だ。かつてアジア・南米で繰り広げられたアメリカとソ連の代理戦争と同じです。エマニュエルトッドはアメリカを非難します。ロシアと戦争するにあたってアメリカ人の命を落とすのではなくウクライナ人の命を使っているからです。
 エマニュエル・トッドは言いますアメリカもヨーロッパも日本もウクライナを支援しているというけれどお金を使っているだけで支援なんかしてない。支援というのは共に戦うことだ。アメリカやヨーロッパの秩序・道徳・規範はアメリカやヨーロッパが思っているほど味方は多くない。むしろロシアや中国の規範や考え方の方が全世界的に見れば受け入れられている。確かにその通りだと思いました。アメリカやヨーロッパは彼らが世界だと思っている可能性が高いです。現実には人類のほとんどはアメリカ人でもヨーロッパ人でもありません。彼らのように豊かでもありません。日本人はどっちつかずでどちらかといえば欧米諸国よりです。日本人というのは明治の頃から欧米諸国になろうと努力してきて、戦争などもありましたが結果的には目指していたところに今いるのかもしれません。
 エマニュエル・トッドはすでに第三次世界大戦に突入しているといっています。確かに第二次世界大戦も第一次世界大戦も今から世界大戦が始まりますなんてことは分からなかったと思います。戦争が終わってみて過去を振り返ったときに「第二次世界大戦が終わった」と世界は感じたはずです。
 恐ろしいことはウクライナの戦争もそうですしイスラエルも戦争もそうですが紛争地域以外は普通の生活をしていることです。私の場合戦争経験ありませんがなんとなく第二次世界大戦の時は大変な世の中になって戦争のこと以外は考えられなくなってしまっているような気がします。でも実際には紛争地域の近くでなければ、例えば日本では普通に生活をしています。ロシアの人々も観光で海外旅行に出かけたりしているようです。
 思えば過去100年程度で戦争がなかったときはなかったと思います。ベトナム戦争も私が若いときに長い間続いてましたがやはり私の生活にはそれほど大きな影響がなかったことは確かです。今から思えば当然のことながら沖縄の基地からベトナムに戦争に飛行機で向かっていたことは間違いないです。
 話は変わりますが第二次世界大戦後80年間以上戦争をしなかった日本の政治は評価できると思います。他に色々問題もありますがそう思います。
問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界 (朝日新書) 新書 – 2023/6/13
説明
ウクライナ戦争について、メディアで飛び交うさまざまな言説とは異なる新たなる視点。
「こんなことを話すのは、今日が初めてです」(エマニュエル・トッド
「新たな視座を獲得するでしょう」(池上彰

世界の頭脳であるフランス人人口学者のエマニュエル・トッド氏と、ジャーナリストの池上彰氏による初対談本。
なぜウクライナ戦争は起きたのか、いまだ終わりの見えない戦争の行方、長らく1強の覇権国家として君臨してきたアメリカの弱体化、それによって多極化、多様化していく世界をどう生きていけばいいのかーー。G7を含めた西側諸国がもはや少数派となる中で、日本の進むべき道とは? 全3日間にわたる白熱対談!

【目次】
はじめに   エマニュエル・トッド
第1章 ウクライナ戦争の原因とジャーナリストの責任
どうしてアメリカが戦争に向かわせたか
バルト3国からウクライナまで不安定な地域圏
「最大の責任はアメリカ」 まず日本で発言した理由
なぜメディアはロシア嫌いなのか
みなそろって好戦的な報道機関

第2章 終わらない戦争
第三次世界大戦はもう始まっている
ポーランドのロシアに対する憎しみ
好戦的になりつつあるバルト3国と米英
仲介案を出した中国の真の目的
ロシアと中国は戦争継続に意義がある

第3章 意識化の対立と「無」への恐怖
    世界ではLGBTについて保守的な傾向の国が多い
忘れ去られるかもしれないネオフェミニズム
戦争を見ていくうえで重要な人類学的側面
ロシアがしていることはアメリカがしてきたこと
民主主義や自由を守る戦いではない

第4章 アメリカの没落
NATOの兵器供与が戦争を長引かせているのか
ウクライナ戦争の五つのファクター
アメリカはドイツにも戦争をしかけている
岸田文雄首相のキーウ電撃訪問に疑問
ヨーロッパ人は現実を直視していない

第5章 多様化していく世界と我々
アメリカが崩壊したら日本はどうするべきか
グローバルサウスはむしろロシアに近い
みんなが負ける負け戦が続く
世界が多様化しても不安定とは限らない

ロシアはもちろん悪いのだが―ーあとがきに代えて 池上彰
年表 ウクライナ戦争をめぐる動き

エマニュエル・トッド (著)
池上 彰 (著)

1955年東京生まれ。東京大学理学部地学科卒業。通産省(現・経済産業省)を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地球科学、科学コミュニケーション。京大の講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。火山研究のほか、科学をわかりやすく伝える「科学の伝道師」。96年に日本地質学会論文賞受賞

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