ボッコちゃん

星新一

☆☆☆☆

ボッコちゃん (新潮文庫) 文庫 – 1971/5/25
 おそらく初めて読んだのは中学生の時だと思います。その頃はどんな本を読んでいいかわからずに誰かに推薦されて読んだのがはじめかと思います。
 星新一の本は短くまとまっておりショートショートと言われるタイプの作品です。それぞれに特徴がありSFであったりミステリーだったり悲劇的な結末であったりたくさんの要素が混在しています。刺激的な内容でないところが今はかえって心地よいと感じました。
 確実に言えるのは中学生が読んでも還暦のおじいさんが読んでも面白いということです。難解な言葉はあまり使われていないし結末もなんとなく予想できてしまうかもしれません。もしかすると中学生の時に読んだ記憶があるのかもしれませんが、さすがに50年前なのでほとんど覚えていません。
 でもボッコちゃんという話は覚えていたような気がします。当時はおそらくですがSFに分類されていたと思います。中学生としてはすごく面白くて、他にも星新一の本を読んだり、ほかのSFを読み始めた頃でした。
 例えば豊田有恒筒井康隆小松左京などが当時の中学生には人気があったと思います。改めて還暦を過ぎて読んでも充分満足できました。ということはもしかすると後世に残る作品なのかもしれません。
 私は大学で日本文学を学びましたが大学生の頃には星新一筒井康隆も読まなくなってしまってました。もちろん勉強として本を見るようになって、その対象となるジャンルが変わったということもあります。
 50年経ってもそれなりに通用するSFっていうのはすごいなと改めて思いました。
 もしかするとまた星新一の本を読み始めるかもしれません
ボッコちゃん (新潮文庫) 文庫 – 1971/5/25

説明
著者が傑作50編を自選。SF作家・星新一の入門書。
バーで人気の美人店員「ボッコちゃん」。彼女には、大きな秘密があった……。

スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群!

表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。

目次
悪魔
ボッコちゃん
おーい でてこーい
殺し屋ですのよ
来訪者
変な薬
月の光
包囲
ツキ計画
暑さ
約束
猫と鼠
不眠症
生活維持省
悲しむべきこと
年賀の客
ねらわれた星
冬の蝶
デラックスな金庫

誘拐
親善キッス
マネー・エイジ
雄大な計画
人類愛
ゆきとどいた生活
闇の眼
気前のいい家
追い越し
妖精
波状攻撃
ある研究
プレゼント
肩の上の秘書
被害
なぞめいた女
キツツキ計画
診断
意気投合
程度の問題
愛用の時計
特許の品
おみやげ
欲望の城
盗んだ書類
よごれている本
白い記憶
冬きたりなば
なぞの青年
最後の地球人
あとがき 星 新一
解説 筒井康隆
カット 真鍋 博

著者の言葉
特徴をもうひとつあげるとすれば、作品のバラエティを多くするよう心がけた。ミステリー的なものもあり、SF的なものもある。ファンタジーもあれば、寓話がかったものもあり、童話めいたものもある。いずれも私が関心を抱いている分野である。だからこの一冊は、私、星新一というあやしげな作家そのものを、ショートショートに仕上げた形だといえるかもしれない。
(本書「あとがき」より)
星新一(1926-1997)

東京生れ。東京大学農学部卒。1957(昭和32)年、日本最初のSF同人誌「宇宙塵」の創刊に参画し、ショートショートという分野を開拓した。1001編を超す作品を生み出したSF作家の第一人者。SF以外にも父・星一や祖父・小金井良精とその時代を描いた伝記文学などを執筆している。著書に『ボッコちゃん』『悪魔のいる天国』『マイ国家』『ノックの音が』など多数。

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