ヒルビリー・エレジー

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J.D.ヴァンス (著), 関根 光宏 (翻訳), 山田 文 (翻訳)

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち 単行本(ソフトカバー) – 2017/3/15

 この本は2017年に出版されています。出版時にヴァンスは政治家ではありませんでした。2025年の今は副大統領!驚きの8年間だったんでしょうね。
 ヒルビリーとはスコッツアイリッシュの貧しい人々のことです。別の本(アメリカにおける白人意識の構築)で読んだのですが、初期のアメリカでは黒人と白人の中間に位置つけられていたようです。1845年から始まるアイルランド飢饉は、ジャガイモの疫病による大飢饉で、主食であったジャガイモが壊滅的な被害を受けたことで、約100万人が餓死・病死し、約150万人が食料を求めてアメリカなどへ移民しました。そのため、小作人や炭鉱労働者としてアメリカで生きてきました。イギリスからの移民とは別の種族と見られていました。
 ヴァンス自身が書いていますがヒルビリーは暴力的で非遵法的、無計画で他責感が強い。だからアメリカ国内でバカにされる。その中から這い上がる様を描いた自伝です。我田引水なところはありますが日本人にすると想像外の家庭から出世しています。要因は運と努力という感じです。高校時代にひどい両親と距離を置き祖母と暮らしたことが良い成績を生みオハイオ州立大学の入学資格を得ます。しかし、学費で断念し海兵隊に入隊。除隊後オハイオ州立大学に入学し卒業後、イェール大学ロースクールで法学位を取得。クリントン夫妻の後輩ですね。その後はピーター・ティールなどと知己を結びテックのビリオネアとともに仕事をするビジネスマンとなります。そして2023年上院議員になります。
 正直言ってこの本を読むまで極右の白人至上主義の大馬鹿野郎だと思っていましたが、中々苦労したんだなあと思いました。見直しました。母親は父親を4-5回変えたジャンキーの看護師ですが、実父は福音派のゴリゴリで実父の家にいた経験からか自らプロテスタントから福音派に改宗しています。福音派でテクノリバタリアンの仲間で海兵隊出身・イラク駐留経験ありといわれると、なるほどなと思う今日この頃です。
 ただし、苦労して上流階級にのし上がった人が良い人かというと微妙です。政治家なのでこの人が副大統領になったり、大統領になることがアメリカ国民にとって良いことなのか?日本や世界、私にとって良いことかは別物です。できればよいことであってほしい。

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち 単行本(ソフトカバー) – 2017/3/15

説明
アメリカの繁栄から取り残された白人の物語です。

J・D・ヴァンス
 アメリカ合衆国 の政治家、作家、弁護士、海兵隊の退役軍人であり、第50代アメリカ合衆国副大統領である。共和党員であり、2023年から2025年までオハイオ州選出の上院議員を務めた。

 オハイオ州ミドルタウンで生まれ育ったヴァンス氏は、アメリカ海兵隊に所属し、イラク戦争に従軍ジャーナリストとして派遣されました。オハイオ州立大学で学士号、イェール大学ロースクールで法学位を取得しました。企業弁護士や上院議員補佐官として短期間勤務した後、ピーター・ティール氏のミスリル・キャピタルでベンチャーキャピタリストとして活躍しました。2016年には、ベストセラーとなった回顧録『ヒルビリー・エレジー』を出版し、全米の注目を集めました。



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