ダ・ヴィンチ絵画の謎

☆☆☆☆

斎藤 泰弘 (著)

カラー版 – ダ・ヴィンチ絵画の謎 (中公新書 2425) 新書 – 2017/3/21

面白い本でした。
著者は美術史家ではなくイタリア文学者なので、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を称賛するだけでなく分析を行っています。テレビの番組などでよく見る画家です。いわゆる画家に収まらない天才という感じでよく番組制作されています。多才な方だったんでしょう。この本を読んでその一端を垣間見ました。正式な教育は受けていないがひらめきを持った市井の科学者のような存在だったようです。沢山の書簡=メモを遺していてそれが著者の研究対象のようです。実に面白い人物だと推測します。「モナリザ」や「最後の審判」などの後世に残る傑作を残している人物ですが、現実に生きた人物ですので生きていく上での挫折や葛藤などもあったと思われます。何となくレオナルド・ダ・ヴィンチにさらなる興味を引き起こす本でした。


カラー版 – ダ・ヴィンチ絵画の謎 (中公新書 2425) 新書 – 2017/3/21

誰もが知っている「モナリザ」。しかし、よくよく見てみればさまざまな謎に満ちている。モデルはだれか、なぜ微笑を湛えているのか。左右の背景はなぜつながっていないのか、そもそもなぜこんなに荒涼とした風景なのか……。鏡文字で書かれたダ・ヴィンチの手稿を研究し、彼の抱く世界観を知悉する著者が、「モナリザ」や「受胎告知」等、現存する主要な絵に秘められた謎について、ダヴィンチ自身のものの見方考え方に立って、俗説を退け、解読を試みる。

斎藤 泰弘
1978年、京都大学イタリア文学大学院博士課程中退。1990年、京大助教授、1997年、文学研究科教授、2010年定年退任、名誉教授。

1980年に、ダ・ヴィンチ『鳥の飛翔に関する手稿』(谷一郎、小野健一共訳・解説、岩波書店、1979年)で第3回マルコ・ポーロ賞を受賞。他の多くの手稿訳書にも参与した。

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